絵本を楽しむよみっこの会no.10つづきのつづき

ホフマンの『ねむりひめ』を見てもらったあと、
ほかの絵本何冊かと見比べてみたんですが、
そのことは、
また。。。

と書いて、年が明けてしまいました(^_^;)
いい加減書かないとどんどん忘れて来ているので、
つづきを。

比べたのは、
BL出版・金の星社・小学館のもの。 
もっとたくさん出版されていますが、とりあえず(笑)

BL出版のものは、タイトルが『ねむりひめ』ではなく『いばらひめ』です。
まず絵・・・有名な絵者ですが、
全体的に、グリムのお話にしてはトーンが明るく軽やかすぎる気がします。
お城がイバラで覆い尽くされたことを感じさせる絵はありません。
姫が産まれた時、傍に描かれているおもちゃは、
昔のドイツで、このぬいぐるみは、どうなの???
とか、
まじないをかけるシーンでは、
妖精が飛んでるし
この1ページを使ってまで描かなくてはいけないシーンだろうか?
というものもあったり・・・

そして文。
訳者というより、もしかしたら、出版社側の意向かもしれませんが、
姫が城の中を巡るシーンで、
「探検」という言葉を使っていて、違和感を感じました。
「探検」とした方が、今の子どもたちの気持ちを惹きつけやすいと思ったのかもしれません。

「いばらひめ」という名前は、産まれてすぐつけられます。
唐突な感じ。

それから、王子が姫にキスをするシーンですが、
瀬田さん訳では、

身をかがめて・・・

となっているところ、BL出版では、

かがみこんで・・・

でした。
間違ってはいないですよね。
大差ない?
でもでも、
イメージが全然違うと思うんですが、どうでしょう?(^_^;)

かがみこんだだと、
何か拾いそう(笑)

やっぱりこのシーンでは、
瀬田さんが選ばれた

身をかがめて

がいいな~

確かに普段、身をかがめて・・・という表現はあまり使わないかもしれません。
でも子どもたちは、
この絵本を読んでもらった時、
この絵と言葉を合わせて自分の中に入れ込んでいくので、
身をかがめて~とはこんな状態を言うのだな
ということを獲得して行くのですよね。


金の星社のものは、
私的には、
無理っ!
という世界(笑)

こちらもとても有名な絵者ですが、
基本、どんな国のどんなお話でも
みんな同じような絵になます。

姫にまじないをかけるシーンで、
漫画チックに星を散りばめる・・・
星を描く必要はありますか?

それから一番気になったのは、
姫が塔の上で出会うおばあさんの絵です。
見るからに悪いおばあさんに描かれています。
でも、グリムのお話の中に、
このあばあさんは悪いおばあさんだとは、書いていないはず。

絵を読んでいる子どもは、
この絵だと
この人は悪い人だと判断すると思いますが、
それはどうなんでしょう?

ホフマンの方はどうかと言うと、
普通に描いています。

ホフマンの解釈を判断するとすれば、
猫。

13番目のうらない女が登場するシーンでは、
猫は、王の服の中に隠れようとしています。

でもおばあさんには、
ご機嫌な表情で、すりすりしているんです

ここから考えると、悪いおばあさんではないのでは?
ですよね。

金の星社のようにテキストにないものをこんなにはっきり決めつけた表現をするのはどうでしょう。

読み手の子どもたちの想像力をかきたてるというより、
固めて、閉じ込めてしまう感じ。


小学館のものは、
グリムではなく、ペローのお話を翻訳した絵本です。
翻訳者は、有名な方ですが、
瀬田さんの訳を知っていると
世界観が違う。

まぁ、
グリムとペローでは、お話自体が大分違うんですけどね(^_^;)

絵も、深く物語ってくれません。

そしてこの絵本の最後に、保護者の方へ~的なあとがきがあるんですが、
グリムとの違いに触れた方がいいと思いますが、
グリムのことは全然なわりに
どうでもいいよ(^_^;)
なことが書かれていて、残念なりです。



たった3冊しか比較できませんでしたが、
それでも思うことは、
やっぱり
子どものための本だからこそ
一級品の絵と
吟味された文章で!
です。


文章と言えば、
『絵本論』(瀬田貞二/著 福音館書店)を読んでいると
唸らされることが度々ありますが、
今回もありましたよ~(^o^)

p.207最後から2行目。
ホフマンの『ねむりひめ』について書かれている章です。

沈静なその構図法と色感とあいまって、
この堂々とした昔話の語り口にふさわしい美しい抑制を、
私たちに示しているではありませんか。


美しい抑制ーーーーーーーーーーー!!

まさにホフマンの絵にぴったり!

がちゃがちゃ描かれた絵本が多く出版されますが、
絵者の方々、

<美しい抑制>

もとても大事かと思います・・・(^_^;)







絵本論―瀬田貞二子どもの本評論集
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今回、この比較の後は、
先日の「情熱大陸」で取り上げられた絵本について少し考えていただきました。

絵の質がどうのというレベルではなく、
ましてや
幼い子に読む絵本の文章で、
クズという言葉を使う感覚が理解できません(;_:)

子どもためにではなく、
自分のために描いた絵本だと感じました。

でもご本人は、そうは思っていないところが、きつい。

そして、こういう本が売れるところがまた。。。


安易に大人の感覚で、
感動するとか
癒されるとか
うけるとか・・・
そういったことで、子どもの本を選ばないで欲しいのですが、、、




























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